<オリックス1-3ソフトバンク>◇4日◇京セラドーム大阪

 ミスター代役にお任せあれ!

 ソフトバンク大場翔太投手(26)がまたチームのピンチを救った。大隣の体調不良により巡ってきた今季2度目の先発で、5回4安打1失点。ホールトンの代役として先発した7月17日以来の白星で、日本ハムと5ゲーム差。首位独走モードへ突入した。

 代役右腕が今回もきっちりと仕事を果たした。1点を勝ち越した直後の5回裏。大場が9番大引、1番坂口をあっさりと片づけた。2番深江も2球で追い込んだ。3球目に選んだのはフォーク。直球と同じ鋭い腕の振りでストンと落とし、空振り三振。救援陣へ勝利のバトンをつないだ。

 大場

 しっかり腕を振って丁寧に投げた。細川さんに自分のいいところ引き出してもらいました。

 今回の先発を伝えられたのは2日前の練習中。先発予定だった大隣が体調不良に見舞われ、急きょ代役に指名された。前回ホールトンの代役として先発白星を挙げた7月17日以降は中継ぎ調整していたが、再度の好機に燃えていた。

 大場

 チャンスだと思って、攻めて投げようと。

 ルーキー年の08年に3勝目を挙げてから、昨季まで19度連続で先発チャンスで白星をつかめなかった。緊急先発でも力を発揮できるようになった。オフの自主トレで和田に弟子入り。精神面の甘さを何度も叱られ、丸刈りにもなった。心を入れ替えて野球に取り組むと、自分自身も、周りの目も変わった。先週末にはベテラン松中が福岡市内の飲食店で3年ぶりの先発勝利を祝うと同時に終盤戦のローテ入りを激励してくれた。

 大場

 周りの方のおかげで自分はある。少しでもみんなのために貢献したい。

 代役右腕のもたらした白星は、ただの1勝ではない。馬原、ファルケンボーグが離脱。先発、中継ぎともに疲労が見え始めてきた夏場に、“ミスター代役”の存在は大きい。

 秋山監督

 大場はよく放った。よく粘ったね。

 2位日本ハムとのゲーム差は5。首位独走モードに突入した。【倉成孝史】