首位ソフトバンクを追撃する日本ハムに、選手会長が“帰ってくる”。左足の距(きょ)骨骨折で離脱している田中賢介内野手(30)が、近況報告などのために、今月25日の楽天戦で札幌ドームを訪れる予定であることが15日、分かった。

 レギュラーシーズン中の復帰は厳しい状況だが、チームは3位以下に12・5ゲーム差をつけ、ソフトバンクと一騎打ちの優勝争いを展開中。クライマックスシリーズ進出は濃厚で、さらに日本シリーズまで勝ち進めば11月まで試合があるため、田中の最終盤での復帰の期待も高まる。今回の現状報告、トレーナーの状態チェックが、土壇場復活への第1歩となる。

 田中は6月18日の広島戦で、二盗を試みた際に左足首を負傷。全治4~6カ月と診断され、同27日に手術を受けた。不動のリードオフマンを突如襲った悲劇に、梨田監督は「(リハビリの)状況はこっちから聞かないことにしている。聞くと(戦力として)欲しくなるから」と、冗談を交えながら、今でもアクシデントを恨んでいるほど。負傷後初めての“直接面談”が実現すれば、復帰への青写真が描かれることになる。

 チームは緊急補強した代役スケールズの奮闘などで成績を維持しているが、リハビリに励む田中の姿が、チームメートたちのさらなる起爆剤となることは間違いない。一方で9月から本格的な練習を再開する予定の田中にとっても、戦う仲間たちの姿勢が、復活への思いを強くさせるはずだ。