<ヤクルト3-5中日>◇25日◇神宮

 中日先発エンジェルベルト・ソト投手(29)の“不敗神話”が鬼門神宮の厚い壁もぶち破った。5回3失点ながら味方の援護もあり無傷の5連勝。来日1年目の外国人投手による開幕5連勝はセ・リーグ初。テスト生からはい上がった年俸7万ドル(約560万円)の格安助っ人が歴史に名を刻んだ。

 これまでの4勝とは違い、不安定だった。1点リードの4回に四死球でピンチを広げ、投手赤川に適時打を浴びるなど3失点。しかしその後を粘ると、6回に平田に逆転3ランが飛び出した。

 「ピンチになってもあきらめずに、粘り強く投げることを心がけた。そうすれば、結果は後からついてくるからね」

 懸命の投球が、イニングのたびに天に向けて祈る神様に届いたのだろうか。自らの不敗神話には、少しだけ笑みをみせた。「それが野球というものだよ」。決して野球が盛んではない欧州イタリアでもプレーした左腕は、野球と向き合う懸命さがある。最後には「他のピッチャーが頑張ってくれているからさ」。手柄を仲間と分かち合う心の広さもまた、神様に愛される理由のひとつかもしれない。【八反誠】