さあ、5戦連発だ!

 ヤクルトの4番畠山和洋内野手(29)が、今日17日の横浜戦で、球団記録に並ぶ5試合連続本塁打に挑戦する。これまでヤクルトでは外国人6人が記録しているが、日本人で達成すれば球団初になる。量産態勢に入った主砲を後押しするために、球団側はこの時期では異例のグッズ製作の検討に入った。今季初の10連勝が懸かる試合で、個人記録との戦いにも挑む。

 パワーの源にワニの肉を食べることで一世を風靡(ふうび)した89年パリッシュ、さらにペタジーニ、ラミレス…。4番畠山が、歴代助っ人しか達成経験がない5試合連続本塁打に挑戦する。前日の広島戦で4試合連続の20号逆転2ランを放ち、今日17日横浜戦で球団記録に挑む権利をつかんだ。

 正午すぎ、広島から帰京すると、タクシーで神宮クラブハウスに現れた。手には東京駅で買った美里夫人へのお土産のケーキ。「あまり意識しない。毎日打てるものじゃないから」と言いながらニヤリ。すぐに「チームの勝利に貢献できる1発が打てたら最高」と約束した。試合がない移動休日とあって終始リラックスムード。「銭湯に行くよ」と、滞在時間5分足らずで、神宮を去った。

 後半戦の神懸かり的な活躍で、畠山の露出度は格段にアップしてきた。そこで、球団側はオリジナルグッズ製作の検討に入った。太めの体型からついた、畠山の愛称「ブー」をモチーフにした「ブーブークッション」が最有力候補。もみあげとヒゲがつながる個性的風貌そのままに、「等身大」ならぬ「等顔大」の逸品。座った瞬間に「ブー!」とくれば、いたずら好きな畠山グッズの誕生だ。球団関係者は「今から製作すると1~2カ月かかる。クライマックスシリーズ、日本シリーズに間に合わせたい」と意欲満々だった。

 そんな企画を知ってか知らずか、主役は決戦に向けマッサージなどで体調管理に努めた。対横浜は今季2本塁打と、8本塁打を記録する広島戦と比べれば控えめな数字が残る。それでも対戦打率は対セ5球団最高3割7分3厘をマーク。「難しいボールはなかなか打てるものじゃない。甘いボールをしっかり打っていきたい」。休日に緩め切った集中力を極限に高め、勝負の打席に向かう。【前田祐輔】