右ふくらはぎの肉離れで離脱している巨人ディッキー・ゴンザレス投手(32)が、ペナントレース終盤の復帰が濃厚なことが22日、分かった。8月23日の阪神戦で負傷。当初は10月末のクライマックス・シリーズ(CS)での復帰も難しいとみられていたが、予想を覆す回復を見せている。現在先発ローテーションは内海、西村、東野、沢村の4人と手薄な状況。勝負の10月に、ゴンちゃんが救世主となるか?

 早期の戦列復帰へ、ゴンザレスが驚くほどの回復力を見せた。負傷した当日は松葉づえを使って歩くほどの重症。それから1カ月が経過し、この日はジャイアンツ球場で約40メートルのダッシュ。ケガをする前と変わらないほどの力強さを見せ、足の状態について「100%に近いぐらいだよ」と、手応えも十分だ。

 ブルペン入りも間近だ。「恐らく来週には入るだろう」と明言。投球練習が再開できれば、今後の見通しが立ってくる。順調ならば実戦復帰は9月末から10月上旬になり、同22日まで予定されているリーグ戦中には間に合いそうだ。

 同箇所を肉離れした阿部は全治に1カ月半を要した。下半身の負担が大きい投手にとってはデリケートな部分でもあり、首脳陣には当初、10月末のCSでの復帰は厳しいとの見解もあった。だがゴンザレスは9月の上旬に中距離のランニング、約60メートルの遠投を行うなど、予想を上回る回復ぶりを見せていた。

 首位ヤクルトとは6・5ゲーム差で、状況は依然厳しい。「これからは結果が重くなる。選手には乗り切って戦ってもらいたい」と原監督も話すように佳境に突入する。この日、全体練習でラミレスらベテラン組は休養で疲労をとり「チャージ組」として今日23日からの4位阪神戦に備えた。

 内海ら先発投手陣の疲労も見え始めている。7月に先発復帰してから2勝2敗、防御率1・59の安定感を誇ったゴンザレスの早期復帰は好材料だ。リーグ戦中の復帰、ポストシーズンでのフル回転に「それは最低限(の目標)。一刻も早く戻りたい」。十分に“チャージ”したエネルギーが、逆襲巨人の追い風になる。