<楽天8-0ソフトバンク>◇24日◇Kスタ宮城

 ああ地元胴上げが…。ソフトバンクは首位打者内川聖一外野手(29)がアンラッキープレーに巻き込まれ、楽天に敗れた。3回、打球を懸命に追った末、楽天内村にプロ初アーチとなるランニング本塁打を献上。ミス連発の敗戦の中、クローズアップされる格好となった。日本ハムが敗れて優勝マジックこそ9に減ったが、この1敗で地元福岡での胴上げが限りなく遠のいた。

 失策もつかず、不運な面もあった。それでも内川はミスとしっかり向き合っていた。試合後、移動バスに向かう間、同じフレーズを2度繰り返した。

 「全部僕のミスです。僕が悪い」。3回、レフトを守る内川の守備範囲である左翼線への2つの打球について振り返ったものだ。

 ◆内村のランニング本塁打(3回無死走者なし)

 内川から見ると前方の左翼線に落ちる打球。懸命にダッシュも、あと1歩届かなかった。ワンバウンドした打球を抑えようとジャンプしたが、後逸。ランニング本塁打でプロ初アーチをプレゼントしてしまった。

 ◆中村の二塁打(3回2死走者なし)

 左翼線ポール際への飛球を全力で追うもグラブをかすめる二塁打。勢いあまってブルペンの扉を押し開けてしまった。

 ドタバタのシーンに映るが、いずれも内川が必死に打球を追う姿勢があるからこそ。内川にとってはレギュラーシーズンでの初優勝が目の前。闘志を抑えきれないのも無理はない。試合前、フリー打撃後に選手ロッカー室の扉をたたく音が響くなど不調のいら立ちも隠せなかったが、4試合ぶりに安打を放った。この1本を打撃復調のきっかけとするはずだ。

 ただ、内村のランニング本塁打で2点目を献上したのは、楽天田中を相手に痛かったのには違いない。打線は今季12度目の無得点敗戦。守備でも松田と多村が失策を犯し、記録にはつかなかったが5回には川崎がボールをこぼして併殺できないシーンもあった。

 扉も開く?

 何ともしまらない黒星で、現実的には地元胴上げが消えた。29日だった最短Vは30日に延びた。27日から29日まで本拠地・福岡ヤフードームで日本ハム3連戦。その後2カードは、いずれもビジターで30日から1週間のロードに出る。ダイエー時代の00年以来となるリーグ優勝の地元Vが遠のいた。

 とはいえM9。重要な局面では集中力が大事だ。秋山監督が「流れが来なかったな」と称した一戦は、悲願CS制覇への糧にすればいい。【松井周治】