<巨人1-1広島>◇2日◇東京ドーム
「i魔神」が長野封じで執念ドロー!!
巨人との今季最終戦。広島は同点の9回に代役の守護神として今村猛投手(20)を投入。2死満塁のサヨナラ機で長野を右飛に抑えた。8月7日に頭部へ死球を当て危険球退場となった因縁の相手だが、きっちり抑えた。来季も引き続きセットアッパーとして起用する方針も判明。今後に向けて収穫になった。
今季最後の東京ドームはラストシーンに修羅場が待っていた。同点の9回。マウンドに上がったのは故障離脱したサファテに代わって抑え役を任されている今村だ。2死二塁で坂本を敬遠。だが、代打古城に四球を与えてしまい、満塁のピンチを招いてしまった。
計算は狂った。しかも、打席には長野が入る。8月7日に左頬へ死球を当て、亀裂骨折させてしまった相手だ。それでも今村は冷静だった。1ボール1ストライクからの3球目。外角低めのコーナーめいっぱいに速球をズバッと投げ込む。捕球した倉が「最高の1球だった。高さからコースから、一番いいところ。外いっぱいにあの球を投げられた」と絶賛するほどの球だ。この球が生きた。内角を攻めなくてもいいほどの制球力がある。直後には外角低めスライダーを打たせて、右飛に抑えた。
今村
まだ集中が切れない感じです。ああいう(試合最後の)雰囲気は全然違う。自分が点を取られたら終わり。サファテはいつも、そのようなところで投げていると、あらためて思いましたね。
トラウマを消した。8月27日にはマツダスタジアムで長野に決勝打を浴びていた。内角を攻めきれず、外角球を狙い打ちされた結果だった。大野投手チーフコーチも「どこかで心に残っているもの。頭に当てたらいかんなとね」と“後遺症”を心配していたが、今季の公式戦最終対決で壁を跳び越えた。
今季は6月からセットアッパーとしてフル回転してきた。開幕当初は先発陣の一角として期待されただけに、来季の起用方針も注目されるところだ。しかし、球団関係者は「来年も同じところでと考えている。そのポジションを、今村のほかに誰がこなすのかということもある」と明かすように、オフの戦力補強の状況にもよるが、現時点では来季もセットアッパーとして勝負させる方針だ。
今村も「浅尾さんみたいな球を投げられればいい」と口にしたこともあり、中日浅尾が理想像になる。いまは投手として大きく飛躍するための鍛錬期。苦しみ続けた巨人戦のフィナーレで、悪夢を完全にかき消した。【酒井俊作】



