巨人清武英利GM(61)の代理人を務める吉峯啓晴弁護士(62)は13日、あらためて清武GMの正当性を主張した。前日12日の深夜には清武GMが再度声明を発表。渡辺恒雄球団会長(85)が出した談話で、今回の清武GMの行動を「取締役の忠実義務違反だ」とした点については「コンプライアンス違反があった時にそれを放置する方が違反だ。取締役には善管注意義務(善良なる管理者としての注意義務)もある」と反論した。

 渡辺会長の談話では「大王製紙やオリンパスの経営者と並ぶコンプライアンス違反をしていると同列に扱うことは名誉毀損(きそん)。謝罪を求める」としている。これに対しては「両社ともにまだ推定無罪の原則が働いている状態。共通しているのは、一番偉い人がコンプライアンスを破ったというところ。揚げ足取りであり、ジャーナリストらしくない」と法律家としての見解を述べた。

 騒動の発端はコーチ人事だった。11月4日に渡辺会長は報道陣に「俺は何にも報告を聞いていない」と話したが、10月20日に清武GMから示されていた事実は認めている。吉峯氏も、CSの敗戦が同人事に影響する可能性は理解しているが「CS次第であると言っておけば良かったはず。マスコミの前で大ウソを言った点は、さらっと認めている。そこが一番重要である。反省を求める」と主張。コーチと実際に契約を結ぶ清武GMの立場をおもんぱかった。「鶴の一声という企業体質は良くない慣習であり、岡崎さんに対しても、あまりにもひどい」とコメントした。【斎藤直樹】