<日本シリーズ:ソフトバンク1-2中日>◇第2戦◇13日◇福岡ヤフードーム
また延長10回だった。中日森野将彦内野手(33)が試合を決めた。2死から作った一、二塁のチャンスで、ソフトバンク馬原の直球を左前に運んだ。前日の第1戦と同じように土壇場で勝負を決めた。落合竜の強さを敵地でまざまざとみせつけた。
森野が腕を伸ばして3球目の外角直球に食らいついた。打球が左前に伸びていく。二塁走者の荒木が三塁ベースを蹴って本塁にダイブ。その瞬間、三塁ベンチが歓喜に沸いた。前日に続いて試合が決まったのは延長10回。そしてまた守護神馬原からの決勝打だった。ヒーローになった男は、してやったりの表情で笑顔を浮かべた。
森野
2アウトからチャンスを作ってもらって、ここで決めてやろうと強い気持ちで打席に入った。
打席では前日12日に小池から決勝弾を浴びた馬原をにらみつけた。その「強い気持ち」とは裏腹に頭の中は冷静だった。1球目外角低めのフォークを空振り。2球目は内角高めに外れてボール。雪辱を振り払おうと淡々とボールを投げ込む右腕を見て自信が深まった。
森野
馬原は一生懸命、普通に投げようとしているように見えた。低めの甘い球を狙っていた。フォークかまっすぐだと思っていたし正直、インコースのまっすぐはないと思っていた。
眠っていた男が息を吹き返した。第1戦では4打数無安打だったが、この日は7回に右翼線へ二塁打、8回にもスライダーを中前に転がした。1試合3安打。「調子うんぬんではない。とにかく結果を出すだけ」と話していた森野が、これ以上ない形で勝利に貢献した。
抑えきれない気持ちが思わず口をついた。試合後にあと2勝で落合監督の胴上げですが?
と問われた時だ。真顔になってこう話した。
森野
落合監督にはお世話になっていますし、レギュラーにもしてもらった。なんとか最後に胴上げしたいです。
9月に監督退任が決まってからは「監督のために」というフレーズは胸の内に秘めていた。あと2勝で最高の花道を飾ることが出来る。本拠地ナゴヤドームでの胴上げへ。気持ちを前面に押し出して突き進む。【桝井聡】



