<日本シリーズ:中日2-4ソフトバンク>◇第3戦◇15日◇ナゴヤドーム

 落合竜が「王手」に失敗した。体調不良でクライマックスシリーズ(CS)で登板を回避していたマキシモ・ネルソン投手(29)が日本シリーズ初先発したが、6回途中までに9安打3失点でKOされた。リーグ最高の防御率を誇る「守りのオレ竜」が、今季ポストシーズン初の2ケタ安打を浴びて敗れた。それでも落合博満監督(57)は「うちらしい試合だな」と余裕の笑みを浮かべた。

 王手を期待してスタンドを埋めたファンからため息が漏れた。スコアボードに映し出された12安打の文字。2ケタ被安打は10月16日巨人戦(東京ドーム)以来。絶対の自信を誇る本拠地ナゴヤドームでソフトバンク打線の破壊力を見せつけられた。

 本拠地初戦の先発マウンドに上がったのは日本シリーズ初先発のネルソンだった。だが、立ち上がりから制球が定まらない。本多にストレートの四球を与えると、続く内川の当たりを三塁森野がはじいて一、二塁(記録は失策)。いきなりピンチを背負うと、松田に先制タイムリーを浴びた。4回には直球がど真ん中に入ったところを多村に2ランとされた。

 「いいピッチングをしようと思ったのですが、球も全然走っていなくてコントロールもいまひとつだった。悔しい…」

 5回2/3を3失点でKOされたネルソンは、降板後、本来の調子ではなかったことを明かした。「中20日」の影響は考えられる。ヤクルトとのCSファイナルステージでは体調不良で登板を回避した。実戦登板は10月25日の宮崎フェニックスリーグ以来だった。CS後に体調も回復し、満を持しての先発だったが“実戦感覚”は戻っていなかった。

 それでも、まだ2勝1敗と有利は変わらない。本拠地胴上げの可能性がなくなったわけではない。敗戦後、落合監督は笑みを浮かべて会見場にやってきた。

 「らしいと言えば、うちらしい試合だな。そんなに動きが悪いわけじゃないから、大丈夫だよ」

 9回を除く全てのイニングで安打を浴びた。それでも奪われたのは4点だった。かたや、自軍は4安打で2点。井端の職人らしい右打ちで、内野ゴロの間に奪った1点と、相手失策から荒木の犠飛での1点。ヒット数で8本もの開きがありながら接戦を演じた。敗れたとはいえ、落合竜らしい戦いではあった。【鈴木忠平】