<日本シリーズ:中日1-2ソフトバンク>◇第4戦◇16日◇ナゴヤドーム
あと1点が遠かった。本拠地でまさかの連敗。重苦しい雰囲気の会見場にきた中日落合博満監督(57)は、強気にこう言った。
「みんなの考えているのとは違うよ。ここまでトータルで考えて2勝2敗は御の字だ。はなから、最後の3つと思っているんだ」
そこには悲壮感などなかった。
ただ、2試合連続で落合竜らしくない「守り負け」を喫したことは事実だ。先発は日本シリーズ初先発の川井だった。緊張の立ち上がり、内川、小久保の連打で1点を先制された直後、松田の打球は二塁へ。井端-荒木-ブランコと渡って併殺と思われたが、荒木の送球が乱れ、失策で2点目を与えてしまった。
第3戦も1回に森野の失策が絡んで1点を失った。ペナントレース、CSと本拠地で守り勝つ野球を実践できたことが勝因だった。だが、この2試合は先行逃げ切りの必勝パターンに持ち込めず、追い掛ける展開を強いられた。
「うちは若い選手もスタメンで出ているけど、気楽にやればいいんだ。負けたら完全にオレたち(主力)のせいだよ」
シリーズ開幕前日、荒木は福岡市内で年下の選手たちに「もつ鍋」をふるまった。その席上、勝敗の責任を背負う覚悟を語った。後輩たちの重圧を軽減するための配慮。ただ、自身の胸に、落合監督の花道にかける抑えきれない気持ちがあったのも事実だ。荒木は5回に、ソフトバンク先発ホールトンから汚名返上の左前適時打を放って1点差とした。だが、最後まで自身のミスで与えた1点が重くのしかかった。
勝負は振り出しに戻った。しかし、荒木の今シリーズにかける気持ちは必ず力になる。絶対に落とせなくなった第5戦へ、熱い思いをぶつければいい。【鈴木忠平】



