左膝を負傷してリハビリ中の広島梵英心内野手(31)が17日、広島・廿日市市内の大野屋内総合練習場で本格的なマシン打撃を再開した。カーブマシンでウオーミングアップした後、速い直球を打ち込んだ。最初は空振りする光景も見られたが、次第に的確にミートするようになった。気づけば30分以上が過ぎていた。

 梵

 まだ打ち始めなんでね。下半身もできていません。マシンの反発力を生かして、上半身で打っているだけ。まだリハビリだと思ってやっていますから。

 「試運転」を強調するが、来季の巻き返しに向けて着実に前進している。6月29日の阪神戦(福井)で自打球が左膝を直撃し、膝蓋(しつがい)骨の骨挫傷で残りのシーズンを棒に振った。8月下旬には2軍戦に復帰したが、痛みが再発。オフに入ってからも、慎重なケアに努めてきた。

 昨季は不動のリードオフマンとして自己初の打率3割台(3割6厘)を記録した。飛躍を期した今年は故障がクローズアップされるが、実は打撃も本調子ではなかった。交流戦に入ってから調子を落とし、打率2割1分4厘にとどまった。修正してリベンジする思いは強いだけに練習の負荷レベルも少しずつ上げる。

 梵

 (完全復調が)早いに越したことはない。痛みが消えてくれれば、ペースアップもできる。まだ、膝に体重を乗せて、痛みが出るか。その確認だけです。

 来年も遊撃レギュラーの最右翼だが、木村やドラフト2位の中京学院大・菊池涼介内野手(4年=武蔵工大二)も定位置を狙う。群雄割拠の戦いに臨むためにも、自制しながら日々の最善を尽くす。【酒井俊作】