<日本シリーズ:中日0-5ソフトバンク>◇第5戦◇17日◇ナゴヤドーム

 沈黙を続ける打線で、中日荒木雅博内野手(34)がひとり、3安打と気を吐いた。1番打者が逆転日本一への希望の光だ。第2打席から左前打、左翼線二塁打、三塁ベース直撃の内野安打。チーム全5安打中、3本を放った。

 「ようやく結果も出てきた。やることをしっかりやるだけです」

 やられたら、やり返す。荒木のこの姿勢が今のチームには必要だ。打線を引っ張る男はそれを体現している。前夜の第4戦は、1回に失点につながる失策を犯し敗戦。その試合では唯一の適時打を放って意地を見せ、この日も必死でチームを引っ張った。すべてを背負う主力の自覚と責任感。鬼気迫るものがあった。しかし結果は厳しいものだった。

 落合野球の申し子。二塁から遊撃へのコンバートも乗り越え、ずっと“オレ竜”を支えてきた。打撃フォームもいつの間にか、指揮官の現役時代の流れを組むような構えに落ち着いた。「あの人に言われたら、仕方ない」。指揮官とは特別な関係で結ばれている。有終の美を飾るためには、後がない中であと2勝が必要になった。初戦、第2戦の再現を狙って博多に乗り込む。【八反誠】