阪神藤川球児投手(31)が初めて公の場で「メジャー移籍」の可能性に触れる発言をした。26日、MBSテレビの情報番組「せやねん」に生出演。順調なら来年中に海外FA権を取得することに「再来年どうしようかなというのもある」と話した。これまでポスティング制度によるメジャー移籍を求めていたが、球団に拒否されていた。

 出演者のトミーズ雅から「いつごろからメジャー志向なのか」と問われ、真っ正面から応じた。「1回目のWBCです。阪神は(ポスティングが)ダメだった。(FAなら)僕の意思でOKになる。選択できるのはうれしい。来年のことを考えているけど、心のどこかに再来年どうしようかなというのもある」。

 11日に、今季初取得した国内FA権を行使せずに残留することを表明した。複数年契約の提示を断り、単年契約を結んだ。「単年契約はメジャー移籍のためか」と聞かれると「それもある」と返答。「それに、長い契約を結んでケガしたときにお金をもらうのは格好悪い」と続けた。

 優勝という置き土産を残すことが、育ててくれた球団への恩返しになる。「タイガースに迷惑はかけられない。自分で選択して、死に際は自分(の望んだ形)で終わりたい。優勝して行かないと、格好悪いというのはある」。和田監督を胴上げし、そして「格好よく」メジャーへ。夢に向かって球児は剛球を投げ込む。