中日浅尾拓也投手(27)が“長寿”のエキスを吸収する!?

 中日浅尾拓也投手(27)が26日、1軍キャンプスタートが内定している山本昌投手(46)にラブコールを送った。愛知・岡崎市内で行われたイベントに参加して「どういう調整をしているのか学びたい」と長く活躍する秘訣(ひけつ)を学ぶ考えを明かした。またこの日、日本プロ野球選手会によるセ・リーグMVPに選出された。

 どうしてもその秘密を学びたい。来年の春季キャンプで浅尾の目線は球界最年長に注がれることになりそうだ。愛知・岡崎市内で野球教室などのイベントに参加した浅尾の目は輝いていた。前日25日に高木監督が山本昌の2年ぶり1軍スタートを明言したことを伝え聞いたからだ。

 「本当ですか?

 良いところを盗んでいきたい。どういった調整をしているのかとか、これまであまりじっくり見たことがないですから。学んでいきたいです」

 山本昌は春季キャンプ序盤は2軍でスロー調整することが恒例だった。早くから1軍の戦力として活躍した右腕にとってじっくりと交流する場が少なかった。シーズン中とは違いキャンプは時間がある。同じ1軍スタートとなれば、グラウンドでも宿舎でも野球談議に花を咲かせることもできる。

 生まれた時にはすでに背番号34は、プロのマウンドに上がっていた。愛知県出身の浅尾は尊敬する野球選手を問われると、いつも山本昌の名前を挙げてきた。あこがれの選手の調整法を間近で見るチャンスでもある。

 この日、選手会のセ・リーグMVPに選出された。プロ野球記者が投票するMVPとは違い、現役選手による投票によって選ばれる賞で選手会が00年から実施している。他の選手たちが浅尾の実力を認めた証しでもある。

 「むちゃくちゃうれしい。普段、対戦している選手に選んでもらったということは本当にうれしいことです」

 ただ、プロの世界では長く結果を残すことがもっとも評価される。それを知っているからこそ球界を代表する投手になった今、大ベテランへ向けられる視線はさらに熱くなっている。【桝井聡】