日本ハム稲葉篤紀外野手(39)が、あと34本に迫った2000安打達成に挑む12年シーズンに引退覚悟で臨む決意を示した。2日、実家のある愛知・旧師勝町(現北名古屋市)の隣にある豊山町の「空港バッティング」で始動。40歳を迎える今年は、2年契約の最終年でもあり「1年、1年が勝負。結果が出せなかったら…。そのくらいの覚悟を持ってやる」と不退転の気持ちでプロ18年目をスタートさせた。

 懐かしの場所で、自らに課せられた使命を再確認した。「記録は意識せざるを得ない。その中でチームの優勝を含め、しっかり結果を残さないと。そういう1年だと思う」。少年時代から通い詰めた“原点”ともいえる場所で、不惑を迎える今季に懸ける思いを明かした。

 昨季は日本ハム移籍後では最低となる打率2割6分2厘に終わった。チームも2位で、主力としての責任を痛感した。残り少ないプロ野球人生を全うするためにも、巻き返しへの思いが強い。「しっかりとした野球をやるには、自己犠牲が必要。みんなが意識しないと、最下位もあると思っている」とチーム全体への危機感も持っている。

 この日、打ち込んだ球数は88球。偶然にも末広がりを意味する「八」が重なった。安打数だけでなく、あと5本で通算250本塁打、あと47打点で通算1000打点と記録ラッシュが見込まれる1年。個人だけでなく、チームにも幸運をもたらす覚悟だ。【木下大輔】