注目ルーキー「ソフトボーイ」が、禁欲生活に徹する。日本ハムのドラフト7位大嶋匠捕手(21=早大ソフトボール部)が9日、千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に入寮した。父茂さんが運転する高級車ベンツで登場した大嶋だが、憧れのマイカーについては「活躍してからですね。今は車の事を考える暇があったらバットを振りたい。(プロの施設は)好きな時間に練習できるのが魅力」とキッパリ。輝かしい実績を残したソフトボール関連の思い出の品も持参せず、あえて裸一貫で野球だけに打ち込む。

 言葉通り、初日からバットを振り込んだ。入寮後は室内練習場に移動し、約1時間半、スローボールのマシンを相手に快音を響かせた。「しっかりとゆるい球を打つ方が難しいから」。フォームをチェックしながらスイングを重ねた。

 個人の時間を楽しむはずの自室でも、禁欲は続ける。ヒップホップの音楽好きを公言しているが、ちょうど真上の部屋が、斎藤佑樹投手(23)であることが判明。一軍に同行する斎藤が鎌ケ谷にいる機会は少ないとはいえ、同郷群馬出身で、早大の先輩としても尊敬する1人。「うるさくしたら迷惑がかかるから」と、ボリュームを抑え、静かに過ごすつもりでいる。

 明日12日からは新人合同自主トレがスタートする。「どんな形であれ、1軍で出場することが目標です。ファイターズの一員として戦力になれるよう、練習を積んでいきたい」。今はただ、野球界で成功したいという欲だけが、大嶋を動かしている。【本間翼】