阪神金本知憲外野手(43)が9日、大阪市内でファイテン社のトークショーに参加し「大暴れ」を予告した。この日は甲子園の室内練習場で今年初めて本格的なスローイングを開始。地元大阪の虎ファンに向けて威勢のいい朗報を届けた。

 「短い距離でしたが、けがする前より、壊れる前より、いい球を投げられて、自分でも少しびっくりしました。距離が離れれば、どれくらいの強さになるか試していないですけど、びっくりするくらい順調です」

 右肩棘(きょく)上筋を断裂した影響で最近2年は不振だったが、この日は力強い球を投げ込み、鉄人の口も自然と滑らかになる。

 「短い距離なら(右肩に不安のある)新井よりいい球が行くんじゃないか!

 全盛期の肩かというと70から80%。100%に近づいている」

 昨年同時期の1月上旬は、まだシャドーピッチングを再開した段階で球を投げていなかった。明らかに好ペースで復調し、打撃でも手応えをつかむ。

 「去年は中堅の頭を越えたり、左中間、左翼方向にまったく打てなかった。強さ、安定感が出てきて室内練習場の感覚では、かなりいい打球が飛んでいます」

 今季は引退覚悟の決意を固めたラストチャンス。若手が台頭するなかでのレギュラー再挑戦だが、自信がにじむ。

 「鬱憤(うっぷん)を晴らしたい。去年は足のトレーニングもできず、動きも悪かった。今年は足のトレーニングもできて、腕も振れるし、状態もいい。しっかりと暴れたい」

 傷ついた肉体は着実によみがえっている。プロ21年目の完全復活へ光が差した。【酒井俊作】