カストロは使える!

 ソフトバンクが獲得に乗り出しているアンヘル・カストロ投手(29=前3Aサルティージョ)に意外なサポーターが現れた。昨年末にドミニカ共和国のウインターリーグへ参加したソフトバンク大隣憲司投手(27)が20日、同僚だったカストロの日本での活躍に太鼓判を押した。

 未知数とも言えるカストロの実力を、大隣が認めた。ドミニカ共和国のアギラスシバエーニャで同僚だった右腕。メジャーリーガーが相手でも1歩も引かないマウンド度胸に感心した。最速155キロの直球も魅力。そして、ひたむきに打者を研究する姿勢が、日本での成功を呼ぶとみた。

 「いいやつなんですよ。よく打者の研究もしていた。柔軟性が日本での成功につながると思う」

 メジャー経験がなく3Aの実績も疑問視される。だが、メジャーの強打者も参加する同国のウインターリーグでは大隣以上の数字を残した。大隣は5試合に登板し0勝2敗、防御率3・52ながらカストロは21試合で5勝3敗、防御率2・53とチームの軸となっていた。単純に比較はできないが、大隣は威力のある直球と鋭く曲がるスライダーは一級品と評した。日本に順応できる器用さも持ち合わせているという。

 「直球も速いし、スライダーも大きく曲がる。日本で十分に通用すると思う」

 球団がカストロ獲得に成功すれば、大隣にとっては先発ローテを争うライバルとなる。だが、チームが2年連続日本一となるためにはレベルの高い競争は必要不可欠だ。杉内、和田、ホールトンが退団し手薄となった先発陣だが、ベネズエラ人の巨漢左腕ピント、西武からFAで帆足が加入した。そして、ドミニカ共和国で汗を流した大隣とカストロも、先発ローテ入りを虎視眈々(たんたん)と狙っている。

 ◆アンヘル・カストロ

 1982年11月14日、ドミニカ共和国生まれ。06年にドラフト13巡目でデトロイト・タイガース入団。10年に3Aメキシコリーグのチワワ、11年は同リーグのサルティージョに所属。3A通算26試合に登板し7勝5敗、防御率5・12。180センチ、90キロ。右投げ右打ち。