これは面白い準決勝になりそうだな…。仙台育英(宮城)の好投手を攻略した智弁和歌山の打力を見て、そんな思いがわいてきた。

4強はいずれも甲子園で優勝経験を持ち、攻守にすぐれた好チーム。その中でも横浜(神奈川)は、頭一つ抜けた存在と見ている。力で勝っているのは、やはり横浜。得失点差23も4強でトップ。亡くなられた渡辺元智元監督に優勝をご報告できるように、と選手たちの士気もいっそう高まっていると思う。

大黒柱の織田君は、186センチの長身から投げ下ろす直球に角度があり、微妙な変化で低めに落ちてくる球もある。ワンバウンドするような球でも、打者は空振りしてしまう。速球は甲子園でも156キロをマークし、非常に攻略しづらい投手だ。

ただ智弁和歌山は、和歌山大会で市和歌山の丹羽涼介君、甲子園でも社(兵庫)の岩井秀耶君ら好投手を倒してきた。どの打者を見ても、高校野球で最も理想的な、スキのない、いい構え方をしている。他のチームと比べても別格。並み居る好投手を攻略したのは、この構えから繰り出されるコンパクトなスイングがあればこそ。先発メンバーの半数以上が左打者で、織田君ら横浜投手陣をどう攻めるかが見ものだ。

天理(奈良)は勝ち進むたびに、試合展開が理想的な内容になっている。準々決勝では、好投手をそろえた三重を先制、中押し、ダメ押しと圧倒。4番の金本君の先制弾で、一気にチームが勢いづいた。そういう選手がチームにいるのは、本当に心強いとm思う。長尾君、橋本君ら投手陣も好投を続けている。

対する健大高崎(群馬)は、有明(熊本)との緊迫した準々決勝を勝ちきった。有明の機動力を封じた守りが大きかった。初回に永田君に二盗、三盗を許したが、2回は栄井君の二盗を阻止。5回、6回も二塁走者をけん制でアウトにしたバッテリーの守りを見ても、よく鍛えられているなと思った。

健大高崎といえば、機動力を生かした戦いぶりで全国区になったチーム。足攻を得意にしてきただけに、相手の足攻に対する備えを鍛え上げてきているのだろう。バッテリーの高い守備力が、有明の大きな武器を止めた。

関東の強豪と近畿の名門の対決で、熱戦が期待できる組み合わせになった。個人の話をすれば、佐野日大(栃木)の頑張りで、孫(中村盛汰主将=3年)が校歌を歌う姿を2度も見ることができた。思い出に残る夏の、最後の3試合を楽しみにしたい。(PL学園元監督)