広島の育成選手・池ノ内亮介投手(23)が、1軍生き残りの追試に挑むことになった。沖縄1軍キャンプで4日行われたフリー打撃に初登板。丸佳浩外野手(22)、庄司隼人内野手(20)に50球を投げ、27球がボール球と不本意な内容に終わった。それでも、11日の練習試合・日本ハム戦(名護)で登板機会が与えられる見込み。支配下登録に向け、なりふり構わずアピールする。

 池ノ内が初の実戦登板で縮こまった。週末のこの日、キャンプ地・沖縄市野球場には今キャンプ最多400人が詰めかけた。ランチ後のフリー打撃で、中村恭平投手(22)、金丸将也投手(24)に続きマウンドに立った。育成選手の1軍キャンプ抜てきは広島では初めて。だが最初の関門で、ストライクが入らなかった。

 池ノ内

 あんまりいい手応えではなかった。振り返ってみると、フォームも小さくなっていた。

 主力の丸には5球連続ボールなど25球中12球がボール球。13スイングで安打性4本に抑えたが、不完全燃焼だった。続く庄司にも25球でストライクは10球。こちらも安打性4本だったが、最後は6球連続ボールでお役御免。計50球で27球がボール球だった。直後に登板した中崎も含め、同期入団組の3投手が納得の表情でマウンドを降りただけに情けなさも募る。「今日の反省を生かさないと。今後はダイナミックな感じでど真ん中に強い球を投げて、差し込むように」と自らに言い聞かせた。

 大野投手コーチは「ボールを離すタイミングが合わない。腕の振りや下半身の使い方もね。速い球が魅力なのに、(フォームが)小さくなったら困るよね。ブルペンでは力強いのに」と苦言を呈した。

 それでも、11日の日本ハム戦で登板機会が与えられる見込みとなった。巻き返しへ、ここでアピールしない手はない。「相手投手との勝負ではなく、打者との勝負。投げさせてもらえるなら、持ち味を出したい。育成で1人だけ沖縄に呼んでいただいた。チャンスはチャンス」と池ノ内。追試をクリアし、支配下登録への足がかりをつくる。【佐藤貴洋】<池ノ内亮介(いけのうちりょうすけ)プロフィル>

 ◆生まれ

 1988年(昭63)11月22日、三重県生まれ。

 ◆経歴

 7歳の時、知り合いに誘われて野球を始めた。岐阜・中京高では外野手で、中京学院大で投手に転向。10年ドラフトで育成2位で広島入団。

 ◆目標の選手

 故・津田恒実氏。現役時代の記憶にはないが、大学から投手に転向した際に、ユーチューブを見て投球フォームを研究していた。

 ◆持ち球

 スライダー、フォーク。直球は最速151キロ。

 ◆好きな女性のタイプ

 気配りが出来る人、北乃きい。

 ◆家族

 父、姉

 ◆サイズ

 175センチ、75キロ。右投げ右打ち。