阪神のドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)にベンチで英才教育が施される。右手首痛のため打撃練習を一切控えているが、和田監督は20日、打てない状態が続いても毎試合ベンチに入れてプロの流儀を肌で学ばせる方針を明かした。

 「ベンチで学ぶことはたくさんある。後から出るときの心構えとか。ベンチにはいろいろ詰まっている」

 例えば桧山は途中出場が多いタイプだが、シーズン中の練習開始時刻は他の選手より早く、一瞬の出番に備えて入念に準備する。代走が多い大和や上本らはベンチから投手を研究し、担当コーチと話し合う。首脳陣による作戦面のやりとりも自然と耳に入る。プロの世界で飯を食う職人たちが、それぞれ勝利のために動く。目で見て、耳にするものすべてが新人の財産だ。19日のオープン戦(対巨人)にも同行し、代走で出場。ベンチでは両軍の一流選手たちの動きを真剣に追った。

 打撃練習再開については、今日21日の練習前に監督やコーチ陣、トレーナーが話し合って判断する。打席に立たせることが一番だが、バットを持てなくても、成長するチャンスを与える方針だ。【柏原誠】