開幕ハ前田デショ!

 広島ブライアン・バリントン投手(31)が21日、開幕戦となる3月30日中日戦(ナゴヤドーム)の先発に前田健太投手(23)を“指名”した。日南キャンプのフリー打撃に初登板し、40球を投げ安打性は2本と快投。仕上がり上々の助っ人は「大役」に白旗を揚げ、2番手先発を決め込んだ。

 バリントンは引き立て役に回る覚悟でいる。来日1年目の昨季、13勝と防御率2・42はともにチームトップの成績を収めた。中4日も難なくこなし、投球イニングも200回を超えるフル回転。大野投手チーフコーチが語る、「1年間ローテを守れて、信頼が置ける投手」という開幕投手の条件に当てはまる数少ない投手だ。そんな本人が、あっさりと白旗を揚げた。

 「開幕は頭にない。マエケンが投手の中心になる存在。彼が引っ張っていって、僕は2番手とかでね。マエケンは特別な投手だし、4つの球種で、ストライクゾーンにコントロールできる。若くて、あれはできないよ」

 23歳のエースに敬意を込めた。大黒柱の負担を軽減するサポート役を決め込んだ。調整に抜かりはない。1年前は米国で複数回ブルペン入りしてから2月1日にキャンプインした。「もうアピールする必要はない。去年200イニング投げて、オフは休むことを優先した」。この日、初のフリー打撃に登板し、打者2人に40球を投げ安打性はわずかに2本。抜群の仕上がりだ。

 もう1度、打者への投球を行い、実戦に入っていくプラン。3月2日からのオープン戦中日3連戦(ナゴヤドーム)での登板が濃厚だ。山内投手コーチも「好きなマウンドでスタートするのも良いでしょう。今年もやってくれると思う」と竜キラーに期待を寄せる。

 昨季は中日戦に7試合に登板し、防御率2・13。ナゴヤドームでは、4試合で2勝2敗、防御率2・03。白星には恵まれなかったが、被本塁打は0本で、唯一の完封勝利を挙げるなど、得意とするマウンドだ。開幕カードと同じマウンドで“先制パンチ”を繰り出し、どこまでもエースを援護するつもりだ。【鎌田真一郎】