<オープン戦:中日4-6ロッテ>◇25日◇北谷

 ロッテのドラフト2位左腕、中後悠平(22=近大)が対外試合初戦の中日戦で“大暴れ”した。初回に最速145キロをマークしたが、2回から雲行きが一変。無死一、二塁から二塁へのけん制のサインが出ながら投球し、里崎が慌ててワンバウンドの球を止めた。3回に1点を失い、さらに2死二塁で4番山崎への初球に失投の140キロ直球。左中間に135メートルと被弾した。

 極め付きは4回2死一塁。けん制で走者の逆をつきながら一塁へ悪送球。「今までけん制で刺した記憶がなくて、走者がビクついたことに自分がビックリした」と肩を落とした。

 大学時代に最速151キロを誇った期待の変則左腕で、制球力の粗さは魅力でもあり課題。だが、この日は自らの首を絞めた。スタメンに全員右打者を並べた中日高木監督は「(変則の)クロスからすっぽ抜けると聞いていたし、こんな雨天だったから、左の森野と高橋周は外した」と説明。大きく抜ける球はなく心配は無用だったが、4回5安打4失点で3四球2被弾と中後にはホロ苦かった。

 福田へのスライダーは鋭すぎて、スイングしながら体に当たる場面もあるなど、球自体には大器の片りんを見せた。「同じことを繰り返さない」。中後が28日からの高知遠征での再テストで成長した姿を見せる。【広重竜太郎】