<オープン戦:中日4-6ロッテ>◇25日◇北谷

 推定140メートルの仰天弾が飛び出した。打ったのは今季から捕手に復帰した中日福田永将捕手(23)だ。「7番DH」で出場し、4回1死からロッテの新人中後の3球目スライダーをガツン。打球は、左翼席後方にある14メートルの防護ネットの上を通過する場外弾だ。

 「打った瞬間にいったと思いました。実戦で当たってなかったのでよかった。風も左から右に吹いていたので切れないと思った」

 中日のキャンプ史上最大のアーチかもしれない。かつて在籍したウッズや主砲ブランコでさえも実戦では、レフト後方にだけ設置されている防護ネットを越えたことがない。

 今季から新人時代の07年以来、5年ぶりに内野手から捕手へ再転向した。「やっぱり長いと飛ぶ」と今キャンプからは現在使用している33・5インチ(85センチ)のバットに加え、和田が使う34インチ(86・3センチ)のバットを練習で振っている。経験が浅い守備だけでは競争に勝てない。まずはバットで長打力を発揮しようと必死だ。

 試合が終わると室内練習場に直行して井上打撃コーチが投げるボールを30分近く振り込んだ。帰り際には場外弾を拾った地元の久松優介君(11)からボールにサインをせがまれた。09年のデビュー戦では史上49人目となる初打席初本塁打をマークした。飛ばし屋としての素質は誰もが認める。今日の阪神戦では捕手復帰後、初めて実戦でマスクをかぶる予定。守備でもしっかりアピールする。【桝井聡】