<オープン戦:ソフトバンク2-3広島>◇26日◇宮崎アイビー

 打球も足も速い!

 ソフトバンクのウィリー・モー・ペーニャ外野手(30)が2戦連続のマルチ安打を放った。4回に左中間に放った打球は初速169キロという日本球界では異次元のスピード。快足を飛ばして二塁打とし、2戦連続でタッチアップも決めた。メジャー通算84発の大砲は走塁も得意と胸を張った。

 スコアボードに見慣れない「169」という数字が点灯した。4回。投手の球速を測るスピードガンがペーニャの左中間への打球をとらえた。川根スコアラーは「150いくつというのは見たことあるけど、出んよ、普通」とあぜん。3年前に中日ブランコが170キロを計測しているが、低反発球となった今では異次元のスピードだった。

 打球も速いが、判断も、動きも素早い。外野手の動きを見て一塁ベースを回った。この試合から100グラム軽量化した片足400グラムの新スパイクで118キロの体をスピードに乗せた。返球がずれると、スライディングを冷静にやめた。さらに松田の右飛で2戦連続のタッチアップ。「次のベースを狙うのは本来の姿。走塁は自分の持ち味と思ってもらっていいよ」。西武福島スコアラーは「二塁へ行く時に滑るのをパッとやめた。報告にはもたもたしていると書いていたけど、これは侮れない」と話した。

 ソフトバンクは走塁の意識が高く、外国人選手も例外でない。「開幕までしっかり仕上げたい」。本業の打撃も2戦連続マルチ安打と上昇気配。バットだけでなく走塁でもチームに貢献していく。【押谷謙爾】