DeNA中畑清監督(58)が「マー君打ち」で好スタートを狙う。今日3日の楽天戦(長崎)から「顔見世興行」ともいうべきオープン戦の全国行脚がスタート。初戦に備えて現地入りした2日、長崎県営野球場で行った練習は開始と同時に雨にたたられるなどしたが、中畑監督は「大丈夫だよ」と人工芝のグラウンドを見て問題なしを強調した。「あなたひとりに~」とヒット曲「長崎は今日も雨だった」を披露するなど、雨雲の下でもハイテンションは変わらなかった。

 その声のトーンを「マー君前倒し」の一報がさらに上げさせた。雨の可能性がある4日を避け、3日に登板すると聞いた中畑監督は「大ラッキー。日本一の投手を見られる」と大歓迎の姿勢を示した。「江夏さんや村田兆治さんなど、名のある人と戦った経験は別物だった。選手も意識が違ってくる」と沢村賞投手と対戦する意義を強調。その上で「できれば全選手に当たってほしい」と、数多くの打者を打席に立たせたい考えを口にした。

 もちろん「実験台」としてだけでなく、交流戦で対戦する可能性もあるだけに「明日は真剣ですよ」と後に尾を引く「先制パンチ」も狙っている。先発予定の右腕国吉も「交流戦でも当たる相手なんで、苦手意識を持たないように、得意なイメージを持てるようにしたい」とシーズンにつながる快投を誓った。対戦するだけでも糧になるが、結果を残せばさらに収穫は大きくなる。新生球団を率いる怖いものなしの新監督は、全力で最高の投手にぶつかっていく。【大塚仁】