<オープン戦:日本ハム4-4ヤクルト>◇3日◇札幌ドーム

 期待にこたえられなかった。開幕投手候補に挙げられている日本ハムの斎藤佑樹投手(23)が3日、ヤクルト戦で先発し、5回を8安打3失点(自責2)。4戦連続失点と結果を残せず、栗山英樹監督(50)も開幕投手についての結論を先送りせざるを得なかった。今日4日ヤクルト戦(札幌ドーム)では、もう1人の候補、武田勝投手(33)が先発予定。斎藤の開幕投手は厳しい状況になった。

 表情からは何も読み取れないほど、登板後の斎藤は冷静だった。開幕投手の資格を問われた一戦。斎藤は「反省すべきところがたくさんあります。求められるものに応えられず悔しい」と、5回8安打3失点(自責2)で不完全燃焼に終わったマウンドを振り返った。

 「久しぶりの札幌ドームのマウンドというのもあるし、緊張で体が思うように動かなかった」。1回、二塁打と四球で1死一、三塁とされ、打席には4番畠山。今年初めて実戦で解禁したフォークボールをとらえられ、さらに打球が斎藤の右すねを直撃した。これが適時打となり早々に1点を失った。

 3回は2連打に味方のミスも絡んで無死満塁とし、連続犠飛で2失点。毎回走者を許し、4回を除いて得点圏に走者を進めた。5イニングで要した球数は、昨年の自身1試合平均に迫る87球。「去年の今頃と比べると、明らかに手応えはあります。ただ、もっとスッキリした形でシーズンに臨みたいなって…」。4戦連続で失点中。言葉には、苦悩がにじんだ。

 栗山監督の心も晴れないままだ。「点数を付けるなら0点」と言いながら「内容に不満はあるけど、球自体は良くなっているんだよね。もんもんとする」と煮え切らない。今日4日ヤクルト戦に先発する武田勝が好投を見せれば、斎藤が開幕マウンドに立つ可能性は低くなる。揺れる指揮官の心を、斎藤は“一発快投”で定めることができなかった。【中島宙恵】