<オープン戦:ソフトバンク7-1巨人>◇9日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクのキャプテン小久保裕紀内野手(40)が杉内攻めの先陣をきった。2回に左越え二塁打。ワンバウンド投球を阿部がはじくと、すかさず三塁を陥れた。この好打、好走から一挙6得点。「あんなええ投手から(計)7点やからな」と小久保も驚くつながりだった。

 一方で複雑な心境も隠さない。「あそこまで点を取ると複雑。何年もたてばなくなるやろうけど、ずっと(一緒に)やってきたからね」。昨季までともに戦い、日本一の喜びを味わった。小久保がマウンドへ走り、杉内を励ましたこともあった。ユニホームは違っても中身は同じ。そんな思いも口をついて出たが「勝負の点で久しぶりに楽しい3打席やった」と笑って言った。

 5回の第3打席でも安打し、マルチ安打を記録した。7日阪神戦までわずか1安打で、打率8分3厘だった。しかし、ベテランは「フリー打撃は悪くないから。試合で結果が出なくても、チェックポイントはできている。何パターンか打ち方があって、今も違うパターンを試している。元気に(開幕の)30日を迎えることが一番」と焦りはまるでない。残り38本と迫る2000安打。杉内打ちで今季への手応えは深まった。