<オープン戦:広島3-4中日>◇18日◇尾道

 中日高木守道監督(70)が18日、不振に陥ったドラフト1位高橋周平内野手(18=東海大甲府)に2軍行きのカンフル剤を投入する。20日からの西武2連戦(西武ドーム)に同行させず、ウエスタン・リーグ阪神戦2試合(ナゴヤ球場)にフル出場させる方針を決めた。22日からは再び1軍に招集する予定だが、開幕1軍へ試練が訪れた。

 えっ、ついに?

 高木監督が、不振に陥った黄金ルーキー高橋周に2軍行きを命じた。広島戦も無安打で、プロ入り最長の10打席ノーヒット。開幕1軍の夢はついえたのか。ところが竜の将はニヤリと笑った。

 高木監督

 急に扇風機になってしまったね。昨日、今日と内容がない。まあしゃあないわ。このまま西武に行っても出番は少ない。それならファームで2試合にフル出場させて、しっかり打たせた方がいい。チームが名古屋に帰ってきたら、また上でやらせますよ。

 2軍行きは2軍落ちではなかった。開幕間近の西武2連戦は、レギュラー組の仕上げの場になる。今の高橋周の立場では途中出場して1、2打席あるかないか。ならば2軍戦で数多く打席に立ち、実戦感覚を養った方がいいとの判断だった。

 2試合1軍を離脱させるが、本拠地に戻る22日DeNA戦で再招集する。アマ時代を通じて始めて味わう谷底から、もう1度はい上がって来い-。初の2軍行きは期待を込めたカンフル剤だ。

 高橋周

 (三振は)2つともチェンジアップです。見えてなかったというか空振りしたということです。いい勉強になりました…。

 笑顔も消えた。豪快な打法も消えていた。この日は同期の新人野村に、1球もバットに当てることすらできず2打席連続空振り三振。その後もタイミングの合わない内野ゴロ2つ。前日も前田健に2三振と「あしらわれた」(高木監督)が、2日で5三振は多い。

 井上打撃コーチは不振の理由について「プロは簡単に打たせてはくれない。迷いがある」と分析する。公式戦目前で本番モードになった高度な配球術に戸惑い、思い切りの良さまで消えていた。だがこの壁を乗り越えるしか成功への道はない。「何とか開幕1軍に残ってほしいと思ってるんでね」と高木監督。まずは阪神との2軍戦2試合で自信を取り戻し、開幕1軍へ再浮上する。【松井清員】