<日本ハム2-4オリックス>◇4日◇札幌ドーム

 日本ハムは3連敗を喫し、今季初の借金「1」となった。先発左腕の八木智哉投手(28)が5回7安打3失点で降板。復活を懸けた昨年5月21日巨人戦以来の1軍マウンドだったが、勝利を手にすることはできなかった。打線はつながりを欠き、5安打で2点を返すにとどまった。

 あと1歩が、届かない。僅差での3連敗に、栗山英樹監督(50)は自分を責め続けた。「何とかしたい試合でしたね。負ければ僕の責任。選手を生かしてあげられなかった。敗軍の将は兵を語らず。申し訳ないっ!」。ほとばしる言葉に、ざんげの念を込めた。

 先発は左腕の八木。2年ぶりに開幕ローテに名を連ねたものの、序盤から苦しい投球となった。2回1死一塁の場面。バルディリスに右越えの適時三塁打を打たれて先制点を許した。エンドランを仕掛けられ、もぎ取られた先制点に、栗山監督は「相手もリスクを背負って勝負している。あそこまで飛ばしたバルディリスの勝ち」と“負け”を認めるしかなかった。3回には走者をためて李大浩、T-岡田と警戒すべき打者に適時打を許した。3回までに3失点。主導権を相手に渡してしまった。

 06年新人王の八木も故障に苦しみ、投球スタイルは当時と比べ随分変わった。09年に9勝を挙げ、一時は復活したものの、ここ2年は1軍で結果を残していない。昨年5月21日以来となるマウンドで投じた99球。八木は「調子は悪くなかったけど、結果的には最悪。打たれちゃいけない打者に打たれて、1人で試合を壊してしまった。申し訳ない気持ちしかない」と反省しきりだった。

 栗山監督は「打たれることによって、得られる情報もある」と強がったが「先に点が入ると、どうしても動きにくくなってしまう。あれこれ考えず、どんどん動けばいいのか、どうなのか…。僕自身の反省材料として、今後に生きるようにしたい」と悔しさをにじませた。「明日開幕のつもりで、1日1日やっていきたい」。残り139試合。初めての「借金1」に戸惑っている暇はない。【中島宙恵】