<阪神3-1中日>◇13日◇甲子園

 福田のバットが空を切り、守道竜の貯金はなくなった。2点を追う9回、藤川から3四死球で2死満塁のチャンス。一打逆転を狙って代走3人も送り込んだが、スミ1のままタメ息の終戦となった。開幕5連勝後まさかの5連敗。高木守道監督(70)は「粘るだけじゃいかん。それが現状」と厳しい表情だ。引き分けを除く5連勝中の平均得点4・2に対し、5連敗中は1・2。「テコ入れせなあかんな」。14日から打線を組み替え、突破口を開く考えを示した。

 大ナタはトニ・ブランコ内野手(31)の4番はく奪だ。モチベーション維持の狙いで4試合4番を任せたが14打席で1安打。この日は2打席連続の三振後「ボールが見えない。チームに迷惑がかかる」と自ら交代を申し出た。高木監督は「打つ前に言ってくれればよかったのに。見えんやつをベンチに置いてても仕方ない」と抹消の可能性まで言及。4番は「ヤマしかおらん」と山崎武司内野手(43)を5試合ぶりに復帰させる方針だ。

 「平田もちょっとアカンね。“今日はやれ”と出したけど状態がよくない」。さらにここ10試合でわずか3安打の7番平田も、スタメン降格を検討。「下で打ってるヤツを上げる」と2軍で本塁打も放っている野本らを昇格候補に挙げた。

 高木監督にとっては、17年前のラスト采配で退場して以来の甲子園だった。因縁の地でまたも苦い黒星。だが今回は努めて明るく振る舞った。「5連勝、5連敗か…。でもGO、GOでいいんじゃない。GO、GOやで」。最後は得意のダジャレ締め。初めて打線を本格テコ入れし、連敗ストップに動く。【松井清員】