<日本ハム2-1楽天>◇14日◇札幌ドーム

 主将がマルチ安打で存在感を見せつけた。楽天松井稼頭央内野手(36)が日本ハム戦に「6番二塁」で先発出場し、4打数2安打。開幕前に腰痛で離脱していたが、前日13日に1軍復帰した。この日は2回の第1打席で今季初安打をマーク。6回には無死一塁から右前打で好機を広げた。チームは敗れたが、松井の状態が上がっていることは今後への好材料となった。

 松井はさらりとやってのけた。2回2死走者なし。日本ハム武田勝にカウント2ストライクと追い込まれてから6球粘り、9球目のチェンジアップに反応した。コンパクトにスイングした打球は右前へのクリーンヒット。今季初安打をマークし「昨シーズンは武田勝投手を打てなかったし、率直にヒット1本目が出てうれしいです」と素直に喜びを表現した。

 6回には無死一塁で、バントの構えから2球失敗した後、高めに浮いた直球を流し打ち。右前に運び、好機を広げた。失敗しても動じないベテランらしい切り替えの早さだった。前日13日は5回裏で退いたが、この日はフル出場。今季初の二塁も無難にこなした。腰の状態については「大丈夫。問題ないです」と頼もしく話した。

 攻守の要として自覚が強かった。キャンプから主将としてチームをまとめてきた。野手、投手関係なくコミュニケーションも積極的。「投手も外野も、ショートは(連係が)全部絡みますから。当然そういうことを意識しながらやってます」とチーム全体を考えながら取り込んでいる。だが開幕前に無念の離脱。それでもチームメートを思いやる気遣いがあった。7年目で初の開幕スタメンで緊張していた遊撃の西村に対し、「緊張するのが普通やし、緊張したらええんよ」とエールを送っていた。

 3月28日には1軍登録を外れていたのにもかかわらず、選手とともに宮城・名取市内の被災地を訪問した。腰痛で体の状態が悪くても、約1時間、228人の小学生と触れ合った。「子どもたちの笑顔を見ることができてよかった」。早期復帰への活力にした。

 今季は「144試合出場」を目標にしていたが、かなわなかった。復帰戦前、「自分にとっての開幕みたいなもの。まだ10試合ぐらいだし、これからですよ」と話した。戦いは始まったばかり。松井がようやく第1歩を踏み出した。【斎藤庸裕】