<広島3-0DeNA>◇17日◇呉
広島大竹寛投手(28)が7回4安打無失点と好投し、2勝目を挙げた。前回登板の10日阪神戦では、藤井彰に頭部死球を与え自身2度目の危険球退場。6年前はダメージを引きずり次戦もKOされたが、精神的にたくましくなった姿を見せた。チームは連敗を4でストップ。今季は3日巨人戦で大竹が白星を挙げてから6連勝しており、今度も連勝ウイークを再現したいところだ。
大竹は強くなった。1点リードの5回、2死一、三塁。好調森本を打席に迎えた。1週間前の悪夢を振りはらい、内角にシュートを投げ込んだ。鋭く食い込んだボールで詰まらせ、三塁際に弱い打球が転がった。際どいタイミングになったがアウト。最大の危機を脱した。
大竹
僕の生命線なので。良いコントロールが出来たと思います。(前回)そういうこともあって、プレッシャーもあった。とにかく勝ちたかったし、結果がほしかった。
文句ない投球にも、白い歯は見せない。10日阪神戦で、バントを試みた藤井彰への内角のシュートがすっぽ抜け、相手の顔面を直撃した。翌日は練習中から落ち着かなかった。「藤井さんの結果は出ましたか?
知りませんか?」。早口で報道陣に逆取材するほど追い込まれていた。藤井彰が骨折、抹消されると聞いて謝罪の電話を入れた。
大竹
気にしなくていいと言ってもらえて、逆にがんばれよと言われました。(気持ちは)吹っ切れはしないですけど、1球の責任と重みを再確認しました。
6年前、大竹は苦しんだ。06年8月12日巨人戦(広島)で、二岡の頭部に死球を当て危険球退場。ショックを引きずり、しばらく会話もままならない状態だった。中3日で同16日中日戦に登板したが、3回4失点で降板した。立ち直るまでに時間を要した。「そのときのことは覚えていないです」。思い出すことさえはばかれる、つらい過去だった。
支えもあった。危険球退場になった日は、今年結婚した杏里夫人の誕生日だった。その愛妻がスタンドから見守る前での悲劇だった。1人だけ落ち込むわけにはいかなかった。「また、がんばるから」。けなげに家事をこなす妻に誓っていた。
大竹
僕から連敗が始まっていたので、これから勝っていければいいです。
大竹から始まった連敗は4で止まった。その前の6連勝は大竹の白星からだった。投手として大きな壁を1つ乗り越え、成長した姿がそこにあった。【鎌田真一郎】



