<広島8-1DeNA>◇18日◇マツダスタジアム
杞憂(きゆう)に終わった。2回に先頭ラミレスに右翼線へ二塁打を打たれても、広島前田健太投手(24)は動揺しなかった。2死一、二塁となったが鶴岡を外角スライダーで空振り三振。ヒットは許しても、得点は与えなかった。8回3安打無失点。97球でマウンドを譲った。
「(9回は)行くつもりはなかったです。完封にタイトルがあればいきますけどね」。中5日の登板が続くエースは肩を休めた。4回までに打線が5点を援護。序盤に2点以上のリードの中で投球するのは、今季4度目の登板で初だった。
試合前は不安を口にしていた。「やられたら、やり返したいと誰でも思う。怖さもありますよね」。DeNAとは6日にノーヒットノーランを達成して以来の再戦。狙い球を絞り、早打ちをしてくる相手の逆手を取った。5回から7回までに要した球数は20球。省エネ投球で本拠初勝利を手にした。
偉業を達成した後、前田健は「浸っている暇はない。シーズンの途中なので」と気持ちを切り替えようとした。だが、周囲の反応に成し遂げたことの大きさを実感していた。驚きだったのは、対戦相手だったDeNAからも、祝福の花束が贈られてきたことだ。
「やられて、嫌だったと思うんですけど。そういうのは関係なしにして、うれしかったです」。あの日を境に、周囲の見る目にも変化が出てきている。確実に球界のエースへと、1歩ずつステップアップしている。【鎌田真一郎】



