<阪神2-3ヤクルト>◇18日◇甲子園

 ヤクルト館山昌平投手(31)が、復活の今季初勝利を挙げた。阪神戦に先発し、3回までに2点のリードを奪われたものの粘りの投球で味方の援護を呼び寄せた。昨オフに右手中指血行障害の手術を受けた影響は残るが、6回には150キロをマークするなど昨年と変わらぬ力強い投球も見せた。今季3試合目でエースがつかんだ白星は、首位阪神を追いかけるチームにとっても大きな1勝となった。

 試合途中から、去年までと変わらない、頼れる館山が現れた。6回2死、マートンへの2球目は150キロをマーク。力強い直球と、鋭く落ちるフォークで、阪神打線を封じた。この日は1回、先頭打者に四球を許し失点するなど、立ち上がりは別人。直球も140キロがやっとという状態だったが、試合の中で修正。あらためて能力の高さを示した。「どこを変えたというわけではないんですが、次の1点をやらないようにと必死でした」と汗をぬぐった。

 本来なら、開幕ローテーションに間に合わない可能性があった。昨年11月に血行障害の手術を受けてからまだ5カ月。リハビリが順調で、投げられる状態にまでなってはいるが、影響は少なからずある。60キロあった握力は40キロまでしか戻っておらず、人さし指と中指の関節は、腫れているように昨年までより太くなっている。「フォークはよく引っかかって落ちるけど、シュートは曲がりすぎたりする」と試行錯誤の毎日。カーブは握りがナックルカーブのため、人さし指が曲がらなくてまだ投げられない状態だ。

 それでも、原点の腕を振るというところに立ち返って、勝利をたぐりよせた。「手術をして、こんな早い時期にマウンドに立ててるなんて思ってもいなかった。1つ勝てたのはうれしいし、いろんな方に感謝したい」。正捕手の相川が骨折で離脱し、守護神の林昌勇は不調で2軍。打線にも当たりはなく、チーム状況は厳しいが、復活を印象づける館山の快投が、それを忘れさせた。【竹内智信】