<巨人7-2阪神>◇28日◇東京ドーム

 阪神能見篤史投手(32)が、想定外のアクシデントに襲われた。1点リードした1回1死満塁で、自らの暴投で同点に追いつかれた直後だった。高橋由の強烈なライナーが左膝下のすねを直撃。真下に落ちた白球をつかみ損ね、一塁に下手でトスをしたが、ブラゼルの頭上をはるかに越える悪送球。痛恨の失策で2者生還を許した。

 左膝に打球が当たった直後に投球練習を行い、すぐに勝負に戻ったが、3回には4連打を浴びるなど2失点。立ち直れず、3回5失点KOされた。「中継ぎ陣に負担をかけてしまい、申し訳ないです」。アイシング治療を施し、試合中に球場を引き揚げた。トレーナーの見立ては左膝下部の打撲で、この日は病院で検査を受けなかった。軽症の見通しだが、患部の状態は不透明。和田監督も「腫れもあるというので(状態は)帰って見ないと分からない」と心配顔で話した。

 痛めたのは投球の軸足となる左足だ。降板時には左足のつま先を地面にコツコツと当てながら歩き、痛みを和らげるしぐさも見せていた。今日29日の回復度にもよるが、5月4日巨人戦(甲子園)で予定される次回登板を回避する可能性も出てきた。

 能見が5回未満で降板するのは10年4月13日巨人戦(東京ドーム)で2回1/3を6失点して以来、2年ぶり。70年以来の3試合連続完封勝利もかなわなかった。9連戦の初戦に完敗した。そんな事実に加え、開幕投手も務め序盤戦から奮闘してきた能見の離脱危機という、新たな不安材料が芽生えた。【酒井俊作】