<DeNA0-7ヤクルト>◇1日◇横浜

 赤土に汚れたユニホームで、ヤクルト宮本慎也内野手(41)が打席に歩みを進めた。平日の敵地に集まった三塁側のファンに、スタンディングオベーションが生まれる。8回2死一塁。2000本安打まで残り1本として迎えた第5打席。「最後はこっちがびっくりしました」と、集中力は高まった。

 1球目、120キロのスライダーを打ち上げた。右飛に倒れた。プロ野球史上39人しか経験したことがない、大記録を懸けたバッターボックス。「思ったより緊張はしなかったです。集中して打席に立ったんですけど」と言った。

 「マジック4」で迎えた1戦。第2打席で左前打を打つと、右前、左前と3打席連続安打を放った。1本ずつ、球場のボルテージは上がる。大阪から両親は上京していたが、三女実空(みく)ちゃん(2)が風邪のため、夫人と子どもたちはテレビ観戦していた。家族の前で、本拠地神宮で達成したい青写真はあっても、試合が始まれば忘れる。「毎試合、毎試合その試合にしか来られないお客さんがいる。目の前の試合を全力戦うのが本来の姿」。プロとして、本気で決めにいった。

 3回には守備のミスがあった。長嶋茂雄氏(巨人終身名誉監督)を抜き、記録更新中だった三塁手の連続守備機会無失策が途絶えた。それでも打席ですぐに挽回。小川監督は「2番とか6番を打って、送りバントなどの制約がある中での2000本ですから。改めてすごい」と言った。そして「リーチ、一発で決めてもらいたいですね!」と付け加えた。

 今日2日のDeNA先発はブランドン。プロ初安打はキク山田(中日)、1000安打はデニー友利(横浜)、1500安打はグリン(日本ハム)と、節目の1本はすべてカナ文字投手から打ってきた。天気予報は雨だが、すると…の予感十分だ。【前田祐輔】