<巨人4-3広島>◇3日◇東京ドーム
広島前田智徳外野手(40)が勝負強さを見せつけた。4回1死満塁から代打で登場し、初球を右翼線に運び2点適時二塁打とした。得点圏では9打数5安打の打率5割5分6厘。8打点はニックと並んでチームトップタイだ。頼れる男のスタメン待望論も浮上。この日、巨人に負けはしたが、ひと振りに懸けるベテランの姿を見習わなければならない。
仕事は早々に訪れた。3点を追う4回1死満塁。前田智のコールにわく広島ファンの声援が、マウンドに立つ初先発の笠原をさらに追い詰めた。経験の差は歴然。初球から襲いかかった。低め137キロを引っ張り、右翼線を破った。2人がかえり、1点差に迫る適時二塁打。前田智はベース上で、両手を重ねて喜びに浸った。
前田智
打ったのはシュート系のボール。体が反応したよ。3点ビハインドだから、まず追いつくことから。
反撃ののろしを揚げた直後、勝ちに飢えるベテランは振り返った。この1本で勢いづき、梵の犠飛で今季2度目の3点差を追いついた。前回の4月28日ヤクルト戦(マツダスタジアム)も、前田智の右前適時打から反撃が始まっていた。
驚異の勝負強さを誇っている。得点圏では9打数5安打。代打稼業でありながら、8打点は4番ニックと並んでチームトップだ。この日は、もう1人のベテラン石井もお膳立て。1死一、二塁で「3点差なのでランナーをためようと思った」と四球を選び、前田智につないだ。期待に応える“相方”に最高級の賛辞を送った。
石井
神以上ですよ。こうなるとスタメンで出てもらいたい。
コーチとしても、本音の部分だろう。2人は冗談で「壊れても良いから、スタメンで出よう」と励まし合っている。他愛もない会話の内容に、浅井打撃コーチも賛同する。「動けるならスタメン。打撃の技術はさすが。積極性は他の打者にも見習ってほしい」。まさに、生ける見本となっている。
だが、皮肉にも前田智が打点を挙げた試合は、1勝4敗と勝ち切れていない。試合後は、報道陣を左手で制し「ありがとうございました」と、うつむきながらつぶやいた。ひと振りで結果を残し続けるベテランの姿に、チームは奮起しなければならない。【鎌田真一郎】



