<ロッテ3-2ソフトバンク>◇12日◇QVCマリン

 土壇場の集中力がまた光った。ソフトバンク小久保裕紀内野手(40)が8回2死満塁から一時同点となる2点適時打を放った。完封ペースのロッテ唐川に外角直球2球で、カウント0-2。「バットに当てるだけだった。迷いがないわけがない。必死、必死よ」。3球勝負は、同じ外角直球。なめるなとばかりに一、二塁間を強いゴロで抜き、ベース上で久しぶりに右腕を突き上げた。

 プロ4年目のこと。「無死満塁とかになると手足が震えていた。将来、自分は大丈夫なのかと」。以来、メンタルトレーニングを継続。次打者サークルでわざと鬼面をつくる緊張回避術も身につけた。

 「緊張するのは仕方ない。全く緊張しないやつは大きな仕事はできないと思う。緊張した後、リラックスする脳の回路を作ればいい。全身に力を入れ、歯と目、けつの穴まで力を入れた後、緩ませる。そうしたらチャンスで回ってきても、普通の打席と同じように入れるようになった」

 プロ19年目。今は自然とリラックスできる。2000安打までM7とする一打もそうして生まれた。

 10回2死一、二塁の勝ち越し機では空振り三振。11回に満塁策をとった森福が打たれ、今季初のサヨナラ負け。ロッテに4連敗で、4位楽天に1・5ゲーム差まで迫られた。「森福は責められない。1年間通して0点に抑える投手なんていない」。主将としてチーム全体を見渡し、声を出した。「同じ投手に何度も負けられない。1個勝って入りたい」。今日13日は連敗中の藤岡をたたき、交流戦を迎える。【押谷謙爾】