<楽天4-0中日>◇23日◇Kスタ宮城

 中日山崎武司内野手(43)のひと振りが、敵地も沸かせた。中日ファンも楽天ファンも、この時だけは敵味方なく喜んだ。7番指名打者でスタメン出場。2回の第1打席、左腕辛島の変化球を左前に運んだ。「第2の故郷」という仙台での凱旋(がいせん)安打だ。

 「イーグルスのファンも覚えててくれた。うれしかったし、幸せを感じた」。“おかえり”という熱い応援に“ただいま”と応える力強い安打だった。

 楽天を戦力外となり、古巣中日に死に場所を求めた。キャンプからフル回転。この地に帰ってくる、元気な姿を見せる-。その思いでここまでやって来た。

 結果は4打数1安打で、チームも完敗。最終打席は厳しく接し、しつけてきた青山に空振り三振を喫した。ただ、このフルスイングで確信めいたものがあった。「振れるようにはなってきた。当たってくれれば、ホームランも出そうだなという感じ」。今季1号を予告した。

 楽天ファンも大きな拍手で迎え、応援ボードも掲げられた。異様な雰囲気に、高木監督も「すごいね。ここでの人気は。何でクビになったの?

 明日は3番にしようかな」と驚き、打順変更の可能性に触れた。

 今日24日の2回戦には決意を持って臨む。「明日しか仙台のゲームはない。本当に本当に最後になるかもしれない」。日本シリーズでの再戦、来年再びやって来る可能性もあるが、退路を断った43歳に先を見る余裕などない。7年間過ごした仙台。豪快なひと振りでアーチを狙う。【八反誠】