日本ハム中田翔内野手(23)が24日、札幌ドームに「子供シート」をつくる夢プランを明かした。中島とともに札幌市内の小学校を訪問。キャッチボールなどで交流し、児童の笑顔に癒やされると「(招待席を)つくるなら“子供シート”がいい。野球を好きになるきっかけになればうれしいし、プロ野球選手になって中田翔と一緒にやりたいと思ってくれれば最高」と話した。近い将来、ファンを招待する中田シートの設置を検討。その際には、子供限定の「チャイルドシート」にするつもりだ。

 子供好きの中田らしい発想だった。日本ハムでも、稲葉や金子誠がファンを招待している。だが、対象に年齢制限をつければ異例。二岡が巨人時代、交通事故で親を亡くした小中学生を招待する「二岡ボックス」を設けていたことはあるが、球界全体でもそう多くはない。だが中田はノリノリ。「(子供だけだと)ファウルボールが危ないから、まわりに何人か警備員をつけてね」と、具体的な案まで披露した。

 オフに行う野球教室など、中田は子供と同じ目線に立って楽しむ。サインも小さな子には必ず立ち止まって応じる。それが人気の秘訣。この日も児童から「明日は見に行きます。ホームラン打ってください」とお願いされ、あっさりと快諾。「子供は純粋。中田(の魅力)はホームランだという見方をしてくれるのがうれしい。子供たちのために打ちたい」と誓った。

 ここまで打率1割6分4厘、3本塁打と調子は上がらない。児童へ打撃のデモンストレーションを行った際にも、首を傾げてやり直すなど、交流の最中もバットを持てばスランプ脱出に必死。「いろんなパワーをもらった気がする。夢をつぶさないためにも、全力プレーで戦っていきたい」。格好いいヒーローでいるためにも、大きなアーチを架ける。【本間翼】