<日本ハム3-12広島>◇5日◇札幌ドーム
日本ハム吉川光夫投手(24)が、痛恨の1球に泣いた。広島戦(札幌ドーム)に先発したが、3回に東出への頭部への死球で危険球退場となった。リーグトップタイの6勝を挙げ、この試合まで防御率リーグトップの1・09。この日も3回途中まで被安打ゼロで、自身にとっても“痛い”1球となった。先発左腕の突然の降板の後を継いだ中継ぎ陣が打ち込まれ3回に一挙7失点。6投手で今季ワーストの12失点を喫し、連勝は2でストップした。
たった1球で、試合の流れは一変した。先発吉川は3四球を与えながら広島打線を3回1死まで無安打投球。11人目の打者、東出への初球だった。147キロ直球がヘルメットの右耳付近に直撃した。その瞬間、球審牧田は吉川に危険球退場を告げた。青ざめた表情で倒れ込んだ東出を見つめた左腕は、放心状態でマウンドを降りた。2回1/3を無安打1失点。「試合をぶちこわして申し訳ないです。東出さんにも申し訳ない。それだけです。(死球は)滑った。何もないです。本当、申し訳ないです」と繰り返し、謝罪の言葉を並べた。
ハーラー単独トップの7勝目へ向け、順風満帆に見えた。初回に1点の援護をもらい、直球も最速150キロを計測していた。内角を大胆に攻め、2回まで3奪三振の快投の直後の50球目に、思わぬ落とし穴…。緊急事態に備えていたはずの土屋、榊原が炎上し、この回一挙7失点。大勢は決した。試合終了から約1時間後に会見場に現れた栗山監督は「そういうことに対応できるものだと思っていたが、何も準備ができていないんだなということ」と話し、「でも、それは俺のミス」と、自らも責任を背負った。
8回は森内、9回は宮西と普段は勝ち試合で投入する2人を含め、リリーフ陣5投手をつぎ込んだ。想定外の消耗戦となり、「投手コーチを含めていろいろ話しました。今日も(中継ぎは)負担がかかった。明日以降、中継ぎがいなくなるのでどうしたらいいか」と、試合後も頭を悩ませた。ダメージの大きい敗戦を拭い去るため、最後は今日6日に先発する斎藤にハッパを掛けた。「明日は特に負けられなくなった。信じて、期待したい」。嫌な流れを断ち切る任務を、最も期待する右腕に託した。【木下大輔】



