阪神が育成契約の中で外国人のロバート・ザラテ投手(25)を最有力候補として7月中の支配下選手登録を検討していることが18日、分かった。入団2年目の左腕は今季、ウエスタン・リーグで15試合連続無失点で、評価を上げている。明日20日に1軍練習に合流し、シート打撃に登板する予定。1軍首脳陣に、支配下昇格をアピールする。

 育成の助っ人左腕が、7月中に1軍デビューする可能性が出てきた。球団がザラテを最有力候補として、7月中の支配下選手登録を検討していることが分かった。球団関係者が「オールスター前後に先発陣が登録抹消する。そこでチャンスが巡ってくるだろう」と秘密兵器の1軍登板シナリオを明かした。

 現在、阪神の支配下登録選手は68人。2枠の余裕があり、育成選手から補充が現実味を帯びている。中でも最有力は、ザラテだ。球宴は7月20日に開幕し、リーグ戦は6日間中断する。先発投手の登板間隔が空くため、スタンリッジ、メッセンジャーの両外国人右腕の出場選手登録を抹消することが想定される。加えて中継ぎ陣の疲労を軽減するメリットもあるザラテの支配下登録が浮上してきた。

 注目の左腕は20日に甲子園で行われる1軍練習に合流。シート打撃などに登板する予定だ。和田監督ら1軍首脳陣の前で、昇格をアピールする絶好の機会を得た。

 入団1年目の昨季は、ウエスタン・リーグ11試合で0勝0敗、防御率3・00にとどまった。今年は成長著しい。左スリークオーターからの直球は最速153キロを誇る。右打者の内角球はカット気味に、外角球はシンカー気味に変化する。チェンジアップは揺れながら落ちる。魔球のようなムービングボールを操り、魅力たっぷりだ。

 2年目の2軍成績は抜群。5月6日広島戦(マツダスタジアム)で来日初勝利を挙げるなど、15試合で1勝0敗、防御率0・00。17回1/3で22奪三振と、1、2軍の違いこそあれ、藤川ばりの奪三振率。特に短いイニングで力を発揮しそうな本格派だ。最近は、2イニングを投げた試合もあり、投球回数を伸ばしても安定感を欠くことがなく、2軍首脳陣は潜在能力を高く評価している。

 リーグ戦が再開すれば、夏場の日程は過酷になる。9連戦や長期ロードなどが待っている。中継ぎ陣の連投も予想され、ブルペンのやりくりが重要になる。新たに逆襲の使者として、左腕が加わるか。2ケタ背番号を勝ち取ったザラテが、センセーショナルな1軍デビューを飾るかもしれない。<ロバート・ザラテ

 プロフィール>

 ◆生まれ

 1987年2月1日、ベネズエラ。

 ◆球歴

 05年にブルージェイズ入りし、ルーキーリーグでプレー。09年8月にBCリーグ群馬入り。10年オフに育成枠で阪神入団。

 ◆音楽好き

 洋楽や母国ベネズエラの音楽が中心。邦楽はFUNKEY

 MONKEY

 BABYSやAKB48がお気に入り。欧陽菲菲の名曲「ラヴ・イズ・オーヴァー」をよく口ずさんでいるらしいが「♪ラヴ・イズ・オ~ヴァ~」が「♪ヤキ~ソ~バ~」に聴こえるようで、替え歌で熱唱しているらしい。

 ◆好物

 ららぽーと甲子園近くの「宮っ子ラーメン」や阪急西宮ガーデンズ内の「佐世保バーガーLOG

 KIT」がお気に入り。

 ◆自炊

 今季は独身寮「虎風荘」を退寮し、西宮市内のマンションで1人暮らしをスタート。自炊で体調管理をしている。得意料理はパスタ。

 ◆サイズ

 191センチ、91キロ。左投げ左打ち。

 ◆外国人枠

 ザラテが支配下登録されれば、阪神では6人目の外国人選手となる。野球協約では出場選手登録(1軍枠)は4人以内で、野手または投手として同時に登録できるのはそれぞれ3人以内と定められている。メッセンジャーとスタンリッジの投手に限らず、野手のブラゼル、マートンの代わりとしても登録は可能。