<楽天3-2ロッテ>◇22日◇郡山
楽天のエースが完全復活に向けての1歩を踏んだ。田中将大投手(23)がロッテ打線に10安打を打たれながらも、ソロ2本の2点に抑え、完投で4勝目を挙げた。春季キャンプから肘、背中、腰と痛みを患い、フォームに微妙なズレが発生。直球がシュート回転し、波に乗れない原因となっていたが、この日は右打者の外角低めに伸びのある直球が決まった。「修正」を施し、本来の姿が戻ってきた過程に迫る。
3日前のことだった。練習を終えた田中は「とっくに気が付いています」と打ち明けた。腰痛による1カ月あまりの離脱も響き昨季の沢村賞投手はその時点で3勝にとどまっていた。
田中
直球がシュート回転している。右打者のアウトロー、左打者のインロー。「原点」ですね。そこに投げられていません。
右打者の内角低め、左打者の外角低めには「いつでも投げられる」と言う。しかし、「原点」に投げることは「一番、難しい」と認める。原点を狙った球がシュート回転すれば、真ん中に入り、痛打される危険性が高まる。今季2度、バッテリーを組んだ伊志嶺も「去年よりシュート回転が多い」と証言していた。
だが、この日は違った。同点に追いついた直後の3回。2死三塁で井口を迎えた。1ボール2ストライクからの4球目。外角低めいっぱい、原点へ147キロ直球で見逃し三振を奪った。全く反応出来ず、苦笑する井口。対照的に、田中は力いっぱいほえた。
キャッチボールから修正に取り組んだ。ポイントは3つ。
(1)右腕を素早くトップの位置へ。
(2)踏み出す左足が外に流れないように。膝が割れると体の開きが早くなる。
(3)軸足の右足のひねりをスムーズに。遠回りして上体が傾くと、肘が下がり球威が落ちる。
球をできるだけ長く持ち、リリースポイントを前にすることでシュート回転を矯正する。前日21日に感触をつかみ最終的にはこの日の試合前練習で「イメージ出来た」と明かした。試合後、「シュート回転も少なく投げられた」と振り返った。
苦しんだ期間を「心技体より体技心。やはり体の状態が良くないと。心だけでカバーは出来ない」と振り返った。心の強さは負けない自信がある。体調を整え、フォームに手を加えたことで、完全復活の兆しが見えた。【古川真弥】



