<楽天3-2ロッテ>◇22日◇郡山

 切り込み隊長がエース田中を援護した。楽天聖沢諒外野手(26)が、復調を印象づける3安打を放った。第2打席で右前適時打を放つと、第3打席で左前打、第4打席は中前打。3方向に打ち分け、5月11日のオリックス戦以来となる3安打。3回にはリーグトップの27個目となる三盗も決めた。交流戦中に調子を落として打率3割を切っていたが、リーグ戦再開を機に、1番らしさが戻ってきた。

 聖沢はグラウンドを思う存分駆け回った。3回1死二塁、チェンジアップをうまく拾い、勝ち越しの右前適時打。好投の田中を援護する追加点を挙げた。この打席から右、左、中前と3打席連続安打をマークした。42日ぶりの3安打に「複数安打がいつ以来かも覚えてないですね。ここ2、3試合は悪くなかったし、結果に表れたのは良かったです」と少しホッとした表情だった。

 急激な失速だった。開幕から好調をキープし、交流戦前最後のオリックス戦で3割3分3厘だった打率が、交流戦終了時には2割8分3厘まで低下した。疲れの出始めた交流戦中の打率は1割9分5厘。6月9日の中日戦では腰痛を訴えて欠場し、今季初めて1番を外れた。思うように復調せず「交流戦は個人的に成績を残せなかったし、チームの成績も落ちてしまった」と責任を感じていた。

 トンネルを抜けようと必死だった。全体練習ではチームメートにも打撃フォームを相談。2月のキャンプから“先生役”だった中村には練習の合間に、どこが悪かったかと聞く姿もあった。「状態が悪くなると、体を使わずに手だけで打ちにいく癖がある。結果的にピッチャーゴロになってもいいから、逆方向に強く打つようにしたら」とアドバイスされ、打撃練習で実践。「不調から徐々によくなってきていると思います」と、交流戦終盤から復調の兆しは見え始めていた。

 積極性も戻った。聖沢は第1打席の初球を安打することが多い。この日はグライシンガーの1球目をスイング。左飛だったが、芯でとらえた打球だった。星野監督も「今日は3本打てと言って、3本打ったからスッキリしたんじゃないか」と目を細めた。3回にはリーグトップを独走する27個目の盗塁をマーク。「今日をきっかけに、勝利に貢献していきたい」と聖沢は誓った。巻き返す期間は十分ある。【斎藤庸裕】