<西武3-5オリックス>◇25日◇西武ドーム

 復活キターッ!

 かつてのエース、オリックス小松聖投手(30)が2年ぶりに白星を挙げ、チームの連敗を4で止めた。695日ぶりのウイニングボールを持って、小松はベンチ裏を歩いた。関係者から「キターッ」とかつての決めゼリフで祝福された。「今日は急だったけど、自分らしく気迫を出して投げました」と言った。

 2点ビハインドの2回2死一、二塁。乱調の先発中山を緊急救援した。ヘルマンに四球で満塁も、中島を142キロ直球で右飛。そのまま4回1/3を投げて2安打無失点。直球を軸に6三振も奪って味方の逆転劇を呼んだ。10年7月31日楽天戦以来、約2年ぶりの通算23勝目。「ああいうのがブルペンの仕事だし。中山も次にやり返してくれると思う。(先発に)いかに負けをつけないか」。岡田監督は「直球のキレが出てきた。それが一番ちゃうか」と復活を認めた。

 昨季は1軍でわずか1試合。しかも中継ぎで1アウトしかとれずに5失点した。生後9カ月の長女莉子(りこ)ちゃんはパパの勝利を知らない。「一番は娘が生まれて、勝ってよかった。まだ野球のことはわからないけど…」と照れる。08年の新人王は先発願望について「そんな欲はない。今の場所で勝利に貢献できればいい」と口にした。

 打線も今季最多タイの15安打と復調傾向。さらに今日26日ソフトバンク戦からは左太もも肉離れだったT-岡田外野手(24)が合流する。「打つ方はマシになってきた。明日からTも戻ってくる」と岡田監督。最下位に沈むチームが、反撃の準備を整えつつある。【益田一弘】