<広島5-2巨人>◇26日◇マツダスタジアム
負けない男が巨人もはね返した。広島大竹寛投手(29)が巨人相手に7回2失点でチームトップタイとなる7勝目を挙げた。6回に安打と味方の失策からピンチを背負ったが後続を断った。7回には149キロをマークするタフな右腕は6月4戦4勝、自身の連勝も5に伸びた。昨季まで苦しんだ右肩痛からの復活は本物だ。
マウンドには、弱気な大竹の姿は一切なかった。打たれても味方のミスが出てもひるむことはない。「攻める気持ち、逃げないことです」。大竹は好調の理由を呪文のように唱えた。
6回1死から最大のピンチを迎える。坂本に左前打された後に、村田を遊ゴロで打ち取ったはずだった。梵が後逸して一、二塁。ピンチは広がった。
それでも以前のような不安な表情を見せることはない。大竹は強気に攻めた。阿部を左飛、高橋由を中飛に抑えて、ナインに感謝の笑顔を送った。
「エラーは何とも思っていません。ピンチでも冷静でした。抑えられると思って投げました。いつも助けてもらってますから」
マウンドでの表情はおだやかだった。連打を浴びたとき、若いときにマウンドで見せたような不安な表情、うろたえた表情を見せることはない。落ち着き払ったような表情で、ミスをした選手を激励しているようにも見える。右肩痛など故障で苦しんだ2年間を乗り越えて大人になって戻ってきた。
7回2失点。前田健と並んでチームトップの7勝目となった。これで自身も5連勝だ。「こんなことはなかった。怖いぐらいです」と謙遜してみせるのも大竹のいう謙虚な人間性を物語っていた。終盤の7回になっても最速タイとなる149キロ。「(終盤は)1人1人ずつ打ち取ることを考えて投げました」。試合に集中しているからこそ出せる球速だった。
野村監督も大竹の好投を手放しで喜んだ。「辛抱強くなった。いろいろ苦労もあったから。(6回の)最大のピンチも乗り越えてくれた」と絶賛する。マエケン同様のエース級の扱いだ。過去の苦悩を乗り越えて、大竹が大人へ変貌した姿を見せ続ける。【中牟田康】



