<日本ハム1-2楽天>◇26日◇東京ドーム

 「楽天藤田」をよろしくお願いします!

 24日に交換トレードでDeNAから移籍してきた藤田一也内野手(29)が、日本ハム7回戦で1軍に合流し、即スタメン起用された。「9番二塁」で出場し、4打数無安打だったが、守備では軽快な動きを見せた。結果は出なかったが、藤田の楽天として初出場の日にチームは1点差を守り勝ち、勝率5割に復帰した。

 5割復帰のウイニングボールが藤田のグラブに収まった。9回2死、日本ハム中田の打球は二塁へのフライ。がっちりとキャッチし、勝利の輪に加わった。すると、主将松井から声をかけられたという。藤田は「ウイニングボールを(川井さんに)渡そうと思ったら、稼頭央さん(松井)にとっとけと言われたので、もらいました」とうれしそうに話した。楽天の選手として初めて守備につく時、打席に立つとき、左翼スタンドのファンからは大歓声で迎えられた。

 試合前に入団会見で決意を示した。「今年で30になる年だし、レギュラーをとっていかないと。これからもっと長く野球をやりたい。レギュラーをとって最高の野球人生にしたい」。熱く語った。星野監督とは前日に選手宿舎のロビーで会い「チームを強くするために、優勝するために頑張ってくれ」とゲキを受け、期待を身に染みて感じた。トレードを伝えられた時は「家族、両親が一番びっくりしていました。でもこれが第2の人生。頑張れと言われてうれしかった」。多くの期待を背負い、「楽天藤田」が歩み出した。

 年齢的には中堅クラスに入る。試合前練習では若手の銀次にも話しかけ、守備での動きを確認。銀次が「いろいろ教えてくれると思います」と言うように、若手を育てる兄貴分としても期待される。新しいチームメートにあいさつを交わした藤田は「DeNAのチームメートが『藤田をよろしく』って(電話などで)言ってくれたみたいで、『聞いてるぞ』って言われましたね」と、古巣の仲間が粋な計らいをしてくれていた。人望の厚い藤田の人柄が表れていた。

 4打数無安打で結果は出なかった。「ルーキーの時と同じくらい緊張しました」と初々しく振り返った。星野監督は「いい守備をしてくれた。ヒットは出なかったけど、出ていれば慣れてくる」と評価した。内村のつけていた背番号「6」を受け継ぐ。藤田の新天地での戦いがスタートした。【斎藤庸裕】