<日本ハム4-5楽天>◇27日◇東京ドーム

 球宴選出アピール弾だ。楽天銀次内野手(24)がプロ初本塁打を放った。

 5回先頭で、日本ハム多田野の初球真っすぐを強振。右中間席へ突き刺し、7年目の初体験に「気持ちいい~!」と声を張り上げた。直前4回の守りでは、自分のエラーが失点につながった。「直球を待って、思い切りいきました」。汚名返上の1発で、リーグ戦再開後、12球団唯一の負けなし4連勝に貢献した。

 今季、打撃でレギュラーをつかんだ。岩手・普代村出身。今夏オールスター第3戦は岩手で行われる。ご当地選手として、監督推薦のチャンスは十分。アピールになったのではと聞かれ、「そうですか?」とうれしそうだった。だが、本音は少し違う。「僕にはオールスターは、まだまだだと思います」と明かした。

 まだまだ-。結果を出しても口癖のように繰り返す。実は、読書家。遠征の移動中には本を手に取る。初めて1軍が続いた昨季終盤、登山家の栗城史多の著書に引き込まれた。世界最高峰エベレストに挑む孤独な闘いに「自分なんて、まだまだだなあ」と素直に感じた。早出練習は皆勤賞。謙虚な姿勢が、1発につながったのかもしれない。星野監督は「不思議なヤツだ。エラーしたと思ったら。大きいよ」と目尻を下げた。監督も驚かせる男・銀次。1歩1歩、頂へ向かう。【古川真弥】